PROJECT

戦略企画室

課長代理|2014年入社

道明寺 悠Domyoji Yu

資源リサイクル部

バッテリー・レアメタルグループ 課長代理|2016年入社

丹波 悠二Tanba Yuji

※個別連絡による業務の妨げを防ぐため、仮名にて掲載しております。

車載電池の循環を支えるため、
業界の先頭で新たな道をつくる。

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01

リーダー企業として
団体を牽引。

いま、自動車の電動化が急速に進んでいる。グローバル市場予測によると、電気自動車やハイブリッド車など電動車の新車販売台数は、2019年実績の約500万台から2035年には約3,600万台にまで拡大※。車載電池の需要が大幅に拡大することが予想されている。そうした中、電池サプライチェーン(調達から販売までの一連の流れ)の課題解決を目的に設立されたのが、BASC(一般社団法人 電池サプライチェーン協議会)だ。電池部品メーカーや電池原料メーカーなど100社以上の名だたる企業が参画するこの団体に、豊通マテリアルも名を連ねている。
BASCでは、扱う課題ごとに「タスクフォース(以下、TF)」と呼ばれるユニットが設定されている。この中で豊通マテリアルが所属するのは、リチウムイオン電池のリサイクルをテーマとするTFだ。車載電池のリサイクル資源としての可能性にいち早く着目し、電池スクラップのトレーディングを進めてきた実績が評価され、20社以上からなるTFのリーダー企業を務めることになった。
エネルギー容量やパワー(電圧)に優れたリチウムイオン電池は、今後の使用量増加が予想される。市場拡大を見込んで海外各国ではすでに資源循環の仕組みができつつあるが、日本ではまだ国・自治体レベルのルール作りが進んでいない。今後のリサイクル活性化につながる規制やルールを作り、国や自治体への政策提案につなげていくために、急ピッチで議論を進めている。
(※BASC資料より。富士経済「2020年版HEV、EV関連市場徹底分析調査」からの出典)

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02

業界の未来を
語り合える喜び。

「日本は過去に、半導体に関する高い技術を持っていましたが、その技術が海外に流出して競争力の低下を招いた反省があります。同様に車載用バッテリーについても、世界的な競争の中でリサイクルスキームを構築することが、エネルギー資源の乏しい日本にとって重要な責務だといえます」
と話すのが、資源リサイクル部の丹波悠二である。各種金属スクラップを扱う部署の営業担当としてトレード業務に携わってきた丹波は、豊富な専門知識を活かした活躍を期待されBASCの参加メンバーに選ばれた。TFの中でも、電池リサイクルの実務に精通した人物として信頼を得ている。
また、丹波たち営業部門とは異なる部署からこの活動に加わっているのが、道明寺悠である。道明寺は、豊通マテリアルの全社戦略の立案・実行を担う、戦略企画室の一員。これまで、複数の事業を横断した事業創出の仕掛けづくりやM&Aなどの投融資サポートなどに携わってきた。BASCの意義について、道明寺はこう語る。
「個々の企業が国や自治体に提言しても、新たな規制作りにつなげることは困難です。だからこそ、BASCという団体のイニシアチブが必要になります。TFのリーダー企業として環境分析や課題把握を行い、最適な戦略を立案することによって、目標実現に貢献したいと思っています」
しかし、TFとして力を結集する際には大きな課題がある。それは、企業間の立場の違いによるものだ。TFのメンバーは業務上の立場が異なり、競合関係にある場合もある。結果、発言が自社の立場をふまえたものになりやすく、意見を集約する難しさがあるのだ。

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03

机上の空論に走らず、
現場を見る。

立場の異なるメンバー企業をどうまとめるか。その課題に対して道明寺が意識しているのは、めざすゴールを明確にして議論を導くことである。客観的な視点を持って課題解決に取り組んできた経営戦略室での経験が、そこに活きている。
「『こういうゴールをめざそう』という本質を見失わないことを意識しています。意見をとりまとめる苦労はありますが、競合関係にある企業が一同に会して議論できることはBASCの最大の意義でもあります。普段は知り得ない各社の現状や課題を吸い上げ、業界の発展につなげることに、大きなやりがいを感じます」
一方、丹波も営業担当の立場から、BASCならではのやりがいを実感している。
「メンバー企業の方々は、専門知識を発揮して世の中に貢献できることを喜んでいます。私にとって大先輩ばかりですが、皆さんいろんなことを熱心に教えてくださいます。そういう方たちと『これから先』のことを議論するのは、本当に楽しい時間です」
では、今後BASCの活動を続けていく上で、豊通マテリアルが意識するべきことは何か。カギになるのは、会社が掲げる「現地」「現物」「現実」という言葉だ。かつて、車載電池のリサイクルを最初に事業化した社員も、自ら海外に飛んで潜在市場を見つけ、新しいビジネスモデルを作り上げた。机上の空論ではない、地に足の着いた試み。それが今後も変わらず必要になるのだ。丹波は言う。
「私たち営業担当の役割として今後まず、国内外から電池スクラップを集めてしっかりと商売として成り立たせなくてはいけません。資源循環のスキームを作り、ビジネスモデルとして定着させた先に、ようやく成果を実感できると思います。これからが本当の勝負です」

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04

意欲があれば、
仕事に制限はない。

使用済み電池だけでなく、リチウムイオン電池を製造する際に発生する工場廃材にも商材としての大きな可能性があると丹波は語る。
「今後、電池メーカーの生産ラインが立ち上がると、工場から廃材が出てきます。当社はすでにリチウムイオン電池の廃材を扱っているので、『こういうリサイクル方法がありますよ』と提案することができます。そのノウハウを持っていることが私たちの強みです」
BASCで業界の名だたる企業と渡り合う一方、日々の実務ではさまざまなスクラップ事業者を訪ね、現場で経営者と顔を合わせて商談をする。車載電池という一つの商材から広がる関わりの多様さに丹波は面白さを感じている。業界の未来を左右するプロジェクトと、現場での地道なビジネス。その両面に、豊通マテリアルらしいやりがいがある。
「当社のベースにあるのは泥臭い仕事の積み重ねです。そのことはぜひ知っていただきたいと思います。ただ、その一方で、意欲があればできる仕事に制限はありません。『(親会社の)豊田通商は○○ができる』『豊通マテリアルの仕事は○○』という区切りはなく、どんな仕事も当社で一貫して手がけることができます。そのモデルケースといえるのがBASCの仕事です」
と道明寺は言う。既存の仕事を広げるだけではなく、まだないビジネスを自分の力で生み出す。そんな仕事の充実感を、豊通マテリアルの社員の多くが口にする。年数や経験を問わず、責任ある仕事に挑戦できる。その醍醐味が伝わる事例が、BASCの取り組みだ。日本の電池産業の今後に彼らがどう貢献していくか、期待は高まるばかりだ。

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